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ブログ:「 珈琲ぶれいく 」(著:河本英樹)


[No.100] 目的と行動

記事投稿日時:2013年10月01日 00時00分


私には小学5年生の娘がいる。
塾に通っているが、田舎育ちの私には想像できないくらいの課題が毎日山積みで、23時を過ぎてベッドに入る時もある。ある日、二人だけで食事をしているときに

「パパ、どうして勉強しないといけないの?」

と泣きそうな顔で聞いてきた。
私は子供にはハードルが高いかもしれない、、、と思いながらも、こういう話をしてみた。

「今、塾に通っているけど、お前がいい学校に行くことが目的ではない。
パパはお前に『自分自身がとても幸せで、周囲の人たちをも幸せにできる人』
になってほしいと思っている。
そういう人になる方法はたくさんあるけれども、
パパが立派だな、素敵だなと感じる人はみんな力をもっているんだよ。
教養という力。
挑戦できる力。
守れる力。
人を愛し、愛される力。
成果を出せる力。
いろんな力を持っている。
こういう力は簡単には手に入らない。
だから、今もこれからも、たくさん傷をつけながら手に入れていくことになるぞ。
その過程として今お前は勉強をしている。
そして、大事なのは、将来、こういう力を身に付けたとしても、
お前自身だけのために使うんじゃなくて、
お前の周囲の人や、お前の子供たちやそのまた子供たちにも使えるようなること。
今は勉強の時間が多いけれど、点数や偏差値がすべてではない。
もっと大事なことは人として素敵な生き方ができるかどうか。
だから、勉強の成果くらいは軽く出して、
もっともっと素敵な事を実現できる力をつけていくんだぞ。」

不思議なもので、この話をしてからというもの、
姿勢がガラリと変わった。
おそらく、ぼんやりとではあるけれども、
本人なりの「目的」が見えてきたのではないかと思う。
子供だけでなく、大人である私たちでも
「なんのために経営しているのか?」
「なんのために仕事をしているのか?」
「なんのために生きてるのか?」
というテーマにぶつかることが多々ある。
企業も目指すべき方向性を「ビジョン」として表現し、
行動にまで落とせる会社は強い。

ある行動を起こすため、行動を維持するため、行動を成長させるためには、
目的が大事になる。
目的をイメージするため、目的を維持するため、目的を成果に変えるためには、
行動が大事になる。
目的と行動とは両輪の関係にあると思う。
どちらが大事ではなく、どちらも大事。

一方でこの話をした張本人は、仲間うちの社長会で諸先輩方に
「やっぱり社長は、軽く利益くらい出さないとね!」と肩をたたかれ、
「経営のセンスくらいもっと磨かないとね!」と言われる。
麻雀の席でも「はぁ~、センスないね!」と激励される。
ゴルフ場でも「そろそろ100切らないと。。。」とため息をつかれる。
その度に胸に切先鋭い矢が刺さる。その矢がまたなかなか抜けない。
今は3000本ほどの矢が胸に刺さったままだ。
成果って簡単に出ないぞぉ!

河本英樹(Kawamoto Hideki)

英代株式会社 代表取締役&NBS運営事務局事務局長。
1973年7月生まれ。長崎県出身。1997年、新聞に掲載する中小企業のトップインタビューを通じて知合った代表者を中心に、NBSの前身となる社長会「英代会」を創設。「ヒューマンネットワーク」を主眼に置いた交流会の運営を手がける。2011年3月、「one for all, all for one」を旗印に、「共生の社会実現」へ向けた新しい価値、新しいビジネスのあり方を追求するNBS(ニュービジネスサロン)を創設し、現在に至る。